【精度が利益を変える】砂型vsロストワックス、圧倒的な公差の差とは?

「ロストワックス鋳造品の寸法公差ってどの位でしょうか」先日、お客様からこのようなお声をいただきました。この質問は結構よく聞かれるものです。
一般的に広く普及している「砂型鋳造」は、安価で大型部品にも対応できる優れた工法です。しかし、その寸法公差は100mmの製品に対して±1.5mm〜2.0mm(JIS公差等級 CT10〜12級相当)となることが多く、どうしても「大まかな形を作る」という領域に留まります。そのため、嵌合部やネジ穴、摺動面には厚い肉付けを行い、後からその大部分を削り落とすという、時間も材料も浪費する工程が前提となっていました。
これに対し、ステンレス鋳物プロが提案する「ロストワックス法」は、まさに次元の異なる精度を誇ります。
ロストワックス法最大の特長は、100mmに対して±0.5mm〜0.7mm(CT5〜7級相当)という、砂型の3倍程度に及ぶ圧倒的な寸法精度です。この精度差は、製造現場に劇的な変化をもたらします。
従来、砂型鋳造品で行っていた「全面フライス加工」や「細かな穴あけ」が不要、あるいは最小限の仕上げのみで済むようになるのです。これを「ニアネットシェイプ(最終形状に近い成形)」と呼びます。機械加工の工程が減るということは、単に加工賃が下がるだけでなく、高価な工作機械の稼働時間を他の高付加価値な作業に割り振れることを意味します。
次に、砂型鋳造では、型から製品を取り出すために大きな「抜き勾配(テーパー)」が必要です。また、砂の強度の問題から、あまりに薄い肉厚や複雑な中空構造は成形が困難でした。
一方、ロストワックスは「ロウ(ワックス)」で模型を作り、その周りをセラミックで固めてから中身のロウを溶かし出す工法です。型を割る必要がないため、抜き勾配を最小限に抑え、砂型では不可能な「複雑なアンダーカット」や「部分的に肉厚2mmの薄肉構造」をも忠実に再現します。これにより、部品の軽量化や、複数の部品を一体化して成形する「部品統合」が可能になり、組み立て工数の削減にも大きく寄与します。つまりデザインの幅が大きく広がることになります。
更に、砂の粒子が転写される砂型鋳造の表面は、どうしてもザラザラとした梨地状になります。一方、ロストワックスは非常に細かいセラミック粉末を型に使用するため、シルクのように滑らかで緻密な表面肌(3.2〜12.5Ra程度)が得られます。
この美しい仕上がりは、寸法精度に有利に働くだけではなく、メッキや塗装といった表面処理の品質を飛躍的に向上させます。流体機器においては抵抗の低減、医療機器や食品機械においては洗浄性の向上といった、機能面での付加価値も提供します。
もし現在砂型で製作されている鋳物があれば、ロストワックス鋳造でメリットが出せるかもしれません。図面をお見せいただければ、ロストワックスへの切り替えでメリットが出るかどうか、具体的にシミュレーションさせていただきます。
また、新入社員研修にも最適な「ロストワックス鋳造ミニセミナー」も随時開催中です。皆様の挑戦を、モリチュウの技術力でバックアップいたします。
お問い合わせ・資料請求はこちら
-追伸-
モリチュウでは、お客様の幅広いニーズに合わせて、適切な素材や製造方法のご提案をしています。
製造面、調達面、開発面での課題についてモヤモヤしていることがあれば、是非お問い合わせください。お待ちしています!