「ロストワックス鋳造の寸法公差は?」

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「ロストワックス鋳造の寸法公差は?」

「鋳物って寸法精度が良くないでしょ」と言われることがあります。

砂型鋳造に対し、ロストワックス鋳造は精密鋳造と言われていますが、どのぐらい精密なのでしょうか。その点について、寸法公差の観点からお話しさせていただきます。

確かに砂型鋳造の場合は寸法精度がいいと言うわけではありません。製造方法を考えるとある程度しかたがないのですが、切削加工品を見慣れている方からすると、どうしても寸法精度や見た目で見劣りすると感じているはずです。

さて、砂型鋳造の公差は非常にややこしいです。

まず公差等級、つまり公差のレベルが細かい段階から粗い段階まで16段階に分かれています。なぜこのようになっているかというと、鋳物の作り方は多岐にわたり、それぞれの作り方で公差が変わるからです。また設備によって変わったり、あるいは、長期間続けて作る場合と短期間や1回だけ作る場合でも変わってきます。材質によっても変わってきます。

なので、ケースバイケースで公差を確認していく必要があります。

詳細を書くとかえって分かりづらくなるので、代表的な事例で説明をいたします。

 ※「ステンレス鋳物のプロ」は創業80年の経験から、鋳物技術、ステンレス等素材の特性、そして厨房機器・食品機械メーカー様の業界特徴やニーズを熟知した上であらゆる対策を講じることが可能な「ものづくり設計サポーター」です。

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仮に10cm角のものを作るとします。「定期的に生産する機械込め砂型鋳物」で「ネズミ鋳鉄(FC)」の場合、一般的には公差幅が3.2mmとなります。つまり、この場合特段の決まりがない場合は± 1.6mmとなります。したがって、一片が98.4mmから101.6mmであれば公差内ということになります。

これに対し、ロストワックス鋳造の場合は、± 0.8ミリとなります(公差幅1.6mm)。同様に10cm角のものを作る場合、99.2mmから100.8mmとなります。

ここからわかるように、ロストワックス鋳造の場合、砂型鋳造に対しおよそ倍の寸法精度があるといえます。

さて、このロストワックス鋳造の寸法精度の良さをどのように活かせば良いのでしょうか。

寸法精度がよいということは、言い換えると最終形状に近い寸法、形状を加工することなく作ることができると言うことになります。これを、ニアネットシェイプといいますが、それにより、いままで機械加工をしていた箇所を、加工無しで実現出来る可能性があります。そうなれば、機械加工の費用やそれにかかる時間を短縮することができます(それ以上に精度が必要な箇所については、機械加工で精度を上げます)。

モリチュウでは、このニアネットシェイプを実現するロストワックス鋳造の特徴を生かし、お客様のご要望に対し様々なご提案をして参ります。ご関心ある方は、是非モリチュウに声掛け下さい

今回は、ステンレス鋳物の寸法公差について書かせていただきました。

モリチュウでは、お客様の幅広いニーズに合わせて、適切な素材や製造方法のご提案をしています。製造面、調達面、開発面での課題についてモヤモヤしていることがあれば、是非以下URLよりお問い合わせください。何か新しいヒントが見つかるかもしれません。

株式会社モリチュウ 

代表取締役 森 雄児

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