一体化によるメリットは・・・ずばり「コスト改善」です!

作業工数削減
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「こうやってみると、色々ステンレス鋳物にできるものがあるね。時間がかかっているのは溶接だからね」

「溶接のビートが出ているのも美観的に良くないですし、溶接物を一体化して溶接工数を減らしたほうがトータルコスト的にロストワックスの方がメリットがあると感じています 」

 出来るだけ生産性を上げ、コスト削減をしたい。誰しもが思う永遠の課題です。その中で、上記のお客様の声の様に、「溶接に時間がかかっている」、「溶接工数を減らしたい」というお声をよく聞きます。

 そこで今回は「生産性向上」と「コスト改善」を含めた「ボトルネック解消」の観点からステンレスロストワックス鋳造の可能性について書かせていただきます。

 ※「ステンレス鋳物のプロ」は創業79年の経験から、鋳物技術、ステンレス等素材の特性、そして厨房機器・食品機械メーカー様の業界特徴やニーズを熟知した上であらゆる対策を講じることが可能な「ものづくり設計サポーター」です。

まずは、「溶接接合業界ニュース」からの抜粋を紹介しましょう。

「溶接士不足が全国的に続いている」・・・この記事の冒頭の文言です。続いて、

「厚生労働省まとめによる『金属材料製造、金属加工、金属溶接・溶断』職種の新規求人倍率(パートを含む常用)は直近の21年4月は3・26倍と人手不足の傾向が上昇している」と記載されています。有効求人倍率が3.26ということは、1人の溶接士をめぐって3.3社が求人をかけているという完全な売り手市場です。

(溶接接合業界ニュース http://www.welding-navi.jp/press/1053/

厨房・食品機械を製作する際に溶接工程は避けて通れません。そうであれば貴重な溶接作業が出来る人財を可能な限り「コア」な工程に配置したいと考えるのは自然です。

逆に言えば、「溶接しなくても良い工程にもかかわらず溶接をしている」ということは当然避けなくてはいけません。このような背景を踏まえた上で、モリチュウとしてどの様な提案が出来るのか・・・を考えてみました。

さて、どうしても溶接でなければならない工程は存在します。そこは熟練技術者の出番です。その腕前が発揮できるコアな作業では不可欠な人財です。

しかしそれ以外で溶接作業がある場合、「本当に溶接でなければいけないのか」を考える必要があります。たとえば、「溶接しずらい箇所を熟練技で溶接している」場合や「細かい部品を3個以上溶接して部品を作っている」場合などが考えられます。

「本当は溶接でなくてもよいのに溶接をしている」ということがあった場合、そこに発生する損失は見た目以上です。なぜなら時間がかかる溶接作業が生産工程上のボトルネックになってしまい、生産リードタイムが大幅に長くなってしまっているかもしれないからです。場合によっては溶接品が届かないために、手待ち状態が発生しているケースもあります。いずれにしても生産の重要な課題である「整流化」と逆行しています。

そして、ある特定の熟練技術者にしかできない溶接箇所があるとすると、将来的に問題になる可能性がある点も見逃せません。

なので、あえて言わせていただければ「無意味な溶接はやめましょう」ということになります。

ではどうすれば「無意味な溶接」をやめることができるのか。その課題解決の糸口が「ステンレスロストワックス鋳造」です。鋳造の特長は「複雑な形状を一体化できる」という点です。もし溶接で複雑な形状を作っているとしたら、そこは鋳造に任せていただいた方が良いケースがあります(肉厚によります)。

このことは、上記の通り単に製作時間が短くなるというだけではありません。貴重な溶接人財が今まで使っていた時間を他の本来やるべき作業に充てられるということです。ボトルネックが解消され、全体の生産スピードが上がり、リードタイムが短縮され、人財不足による停滞が解消される・・・実はこれが「溶接レス」の最大のメリットになります。

そしてもう一つ見落としがちなのがパーツ管理です。もしある部品を作るために、3つの細かい部品を溶接して作っているとしたら、結果的に3つの部品を管理(在庫管理や部品製作手配など)しなくてはいけません。しかし既に一体化された部品であれば、管理部品は1つになります。現在電子部品で多くの方がご苦労されているように、例え1円の部品が1つなくても完成品にならず、それによる販売機会損失は1円では済まないことは自明の理です。この在庫管理手間の軽減メリットの波及効果はとても大きいと思われます。なぜなら管理そのものはお金を生まないからです。

「うちは、外注しているから大丈夫」という方もいるかもしれませんが、協力会社に委託をしている場合も同じではないでしょうか。協力会社も自社の工程の1つと考えると、やはり管理手間が少ない方が良いに決まっていますし、上記機会損失の原因を少しでも減らす必要があると思われます。

実際に小さな部品を4つを溶接にて組み合わせていたものをロストワックス鋳造で一体化したことでメリットを感じていただいたケースも発生しています。

溶接作業を削減することで、大切な溶接人財を有効活用し、ひいては製作リードタイムの短縮と在庫管理手間の軽減を実現する・・・一石三鳥ですね!。

もし、ステンレス鋳物にこのようなメリットを感じて頂けたら、「ステンレス鋳物のプロ」であるモリチュウに是非お気軽にお問合せ頂ければと思います。

 モリチュウでは、お客様のニーズに合わせて、素材や製造方法のご提案をしています。

調達面での課題、開発面での課題について、お話を聞きながら解決策のご提案をいたします。進めてしまってから後に戻るリスクを避けるためにも、今モヤモヤしていることがあれば、是非以下URLよりお問い合わせください。何か新しいヒントが見つかるかもしれません。

これからも、こちらのコラムでは、素材や製造方法、そしてお客様のお役に立つ取り組みなどをご紹介していきます。

株式会社モリチュウ 

代表取締役 森 雄児

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