一体化によるメリットは・・・ずばりリスク低減です!

部品欠落リスク低減

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 「部品の欠落リスクは深刻な問題です。今頻繁に起きているということではありませんが、もし発生したら大変なことになります。常に神経を尖らせておかないと・・・」

厨房部品、食品機械を作る方々にとって、異品混入につながる部品欠落には常日頃から注意してもしきれないというのが事実としてあります。そこで今回は部品欠落の観点からステンレスロストワックス鋳造の可能性について書かせていただきます。

 ※「ステンレス鋳物のプロ」は創業79年の経験から、鋳物技術、ステンレス等素材の特性、そして厨房機器・食品機械メーカー様の業界特徴やニーズを熟知した上であらゆる対策を講じることが可能な「ものづくり設計サポーター」です。

東京都には年間を通じて食品等の異物混入やカビの発生などの苦情・相談が届けられていますが、令和2年には合計4440件の苦情が寄せられ、そのうち異物混入が535件となっています。東京都内だけで1日あたり1.5件の異物混入事例が発生し、更に実際には苦情として寄せられないケースもあると考えると更にその数は増えるということになります。
(東京都福祉保険局データ)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kujou/index.html

勿論それがすべて金属異物によるものではありませんが、モリチュウとしては金属異物についてしっかりと知見を深めなくてはいけません。その点については佐田守弘氏(一般社団法人日本機械学会フェロー産業化学機械と安全部門食の安全委員会委員長)の論文が大変参考になります。
(佐田守弘氏論文)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/50/1/50_16/_pdf/

その中で佐田氏は、「金属部品あるいはその一部が脱落ないし欠落して異物となる原因の中に『 締結具の緩みと脱落』と『溶接などの加工上の瑕疵』がある」と述べています。簡単に言えば「ボルトの緩み」と「溶接個所周辺からの亀裂」が異物混入原因ということになります。

では、「ボルトの緩みと脱落」と「溶接などの加工上の瑕疵」は無くせるのでしょうか・・・?

結論から言えば、「ボルトの緩みと脱落」と「溶接などの加工上の瑕疵」を無くすことは出来ません。

まず、「ボルトの緩みと脱落」についてですが、上記の佐田氏も、「ねじを締結状態に保っているのは、適正なトルクで締めたことによって発生する応力である.締結している部品に繰り返し荷重がかかると、ねじを締結している応力が弱まり、僅かずつではあるが、ねじに緩みが発生する」、つまり「ネジは緩むもの」と言っています。

最近では緩み止め付ワッシャなどもあるが、欠落リスクを考えるとワッシャなども使いたくないとなります。

つぎに「溶接などの加工上の瑕疵」についてですが、溶接は「熱を加える」という加工方法の特性上、どうしても金属組織に変化が起きてしまいます。そのため経年の繰返しかかる荷重に起因する金属疲労により「亀裂」が発生してしまうことはある程度避けられません(「鋭敏化現象」というとのこと)。

ではどうすればよいのでしょうか。簡単に言えば、「ボルトの使用と溶接をやめてしまえばよい」ということになります。

そこでステンレスロストワックス鋳造ということになります。ロストワックス鋳造は複雑な形状を一体化することができます。なので複数の部品をボルトで締結する必要もなく、溶接でつなぐ必要もありません。また、先日のコラムでも書いたように、素材は通常のステンレスとほぼ同等になります。

(コラム:「ステンレス鋳物の材質」と「(いわゆる)ステンレスの材質」と同じなのか・・・その答えはこちらです」)
https://suspro.morichu.co.jp/column/11/

勿論ボルトの使用や溶接を100%無くすのは非現実的ですし簡単なことではありません。しかしメンテ関係でどうしてもボルトを使わざるを得ない箇所のみ使うという設計にするなどボルトと溶接の頻度を減らすことにより、部品欠落リスクを大幅に削減することができます。

そして実は、ボルトレス、溶接レスのものづくりはその他にも大きなメリットがあります(この内容については次回に譲ります)。

部品欠落リスクによる異物混入対策は皆様方にとって大変重要な課題です。そしてステンレスロストワックス鋳造はその対策に非常に効果的です。もし、部品欠落リスク対策としてステンレス鋳物をを活用してみたいと思われる方は、「ステンレス鋳物のプロ」であるモリチュウに是非お気軽にお問合せ頂ければと思います。

 モリチュウでは、お客様のニーズに合わせて、素材や製造方法のご提案をしています。

調達面での課題、開発面での課題について、お話を聞きながら解決策のご提案をいたします。進めてしまってから後に戻るリスクを避けるためにも、今モヤモヤしていることがあれば、是非以下URLよりお問い合わせください。何か新しいヒントが見つかるかもしれません。

これからも、こちらのコラムでは、素材や製造方法、そしてお客様のお役に立つ取り組みなどをご紹介していきます。

株式会社モリチュウ 

代表取締役 森 雄児

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