試作にどのくらいコストがかかるのか心配の方、その解決策がここにあるかもしれません。
「鋳物で試作をする際に、型が必要になりますよね。でも試作って当然うまく行かない場合もあるし、もしそれが使えないとなると作り直しになります。そうなるとまた新たに型代がかかってしまいます。正直どのくらいかかってしまうのかって心配になります」
こちらは、開発担当者の切実な声です。そして同じような思いをしている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
コロナウイルス、脱炭素、SDGsと世の中の価値観が大きく変わる今日、日々多くの方々がが製品開発を進めています。同時にいかにコストを下げていくのかも研究開発には欠かせない要因です。そこに必ず必要となるのがが「試作」という工程。試作をせずに世の中に送り出すということは基本的に無いはずです。
そして試作にはスピードが求められています。トライ&エラーを繰り返すことは致し方ないとしても、その回数は極力減らしたい。当然です。
しかし、本来であれば形状的に鋳物が良いと思えても、鋳物で試作をしようとするとどうしても型代がネックになります。そして冒頭のお声のように、型代や、試作を繰り返すことを考えると二の足を踏んでしまうのは当然だと思います。更に、スピードが求められている中、型を作るのに時間がかかるのもストレスです。ただ残念ながら型が無いと鋳物は作れません。
この矛盾・・・開発者のストレスは相当なものです。この課題をどう解決したらよいのか。すべての課題を解決できるわけではありませんが、「ロストワックス鋳造」であればその解決の糸口がを見出せるかもしれません。
ロストワックス鋳造では蝋型(ワックス原型とも言います)が必要になります。通常その「ワックス原型」を作るためには金型が必要になります。しかし最近良く聞く3Dプリンター・・・この技術を使ってワックス原型を作ることが出来るのです。要するに金型を作らずに3Dデータがあれば鋳造の際に必要な「ワックス原型」を製造できるということです。
つまり、
・金型代がかからない(コストを抑えられる)
・金型製作期間がかからない(つまり早い)
・パターンを変えた部品検討が出来る。
・現物と同じ形状、材質の部品を使って試作が出来る
といった数多くのメリットがあるのです。
実際にモリチュウでも多くのお客様から試作のご依頼をいただいております。その際には3Dデータを直接いただく場合もありますし、二次元CADのデータから3次元のデータを作成しご承認をいただいてから試作をする場合もあります。そして試作を見て納得をしていただき、その後量産に入っていきます。
そんな中、お客様からも「ロストワックス鋳造は金型をつくらないで試作が出来るのは本当に助かる」といったお声を数多く聞いており、私たちとても嬉しく感じています。
ただ、1点お伝えしなくてはいけないことがあります。残念ながら対応出来る材質に限りがあります。ステンレス系は全く問題ありませんが、鋳鉄(FC,FCD)の対応は出来ないのであしからずご理解ください。
このように、3D技術を使った試作は、多くのメリットがあります。もし、ロストワックス鋳造、特にステンレス鋳造による試作を考えているのであれば、金型代を心配することはありません。是非お気軽にお声がけください。
モリチュウでは、お客様のニーズに合わせて、素材や製造方法のご提案をしています。
調達面での課題、開発面での課題について、お話を聞きながら解決策のご提案をいたします。進めてしまってから後に戻るリスクを避けるためにも、今モヤモヤしていることがあれば、是非以下URLよりお問い合わせください。何か新しいヒントが見つかるかもしれません。
これからも、こちらのコラムでは、素材や製造方法、そしてお客様のお役に立つ取り組みなどをご紹介していきます。
株式会社モリチュウ
代表取締役 森 雄児