10のステップで伝える、ステンレス鋳物のプロが伝える精密鋳造工程

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先日、お客様からこのようなお声をいただきました。
「工場見学でワックス型のコーティングを見る機会があり、細部までこだわった手作業に感銘を受けました。」
「製造工程を確認して、しっかりと作り込みをしているので品質に関しても安心感を得ました。」

現代のものづくりでは、設計の自由度、製品の精度、コスト効率が常に課題です。
特にロストワックス鋳造はやや複雑なため、お客様にとっては「ブラックボックス」になりがちで、「名前は知っているし、何となくわかっているけど、正直どうやって作るか細かい工程はわからない」といことはよくあります。

そこで今回は、お客様に鋳物、特にロストワックス鋳造の工程をお伝えします。
詳細すぎると分かりずらいので、今回は10のステップで説明をします。

<ロストワックス精密鋳造の10のステップ>

①ワックス原型製作:金型にワックスを射出し、製品と同じ形の「蝋で出来た原型」を作ります。実はこのワックス原型を作るための「金型」が必要になります。

②ツリー組み:複数のワックス型を枝のように組み付けます。大きさによりますが一度に複数の製作が出来るため生産性向上につながります。(ここにノウハウがあります!)

③コーティング:セラミック泥(スラリー)をワックス原型に塗布・乾燥。この乾燥に時間がかかるのが残念ながら弱点となります。

④スタッコ:スラリー上に砂をまぶして補強し、数回繰り返して丈夫なスラリ+スタッコの固まりを作ります(これを「シェル」と呼びます)。スタッコはスラリーよりも粗い粒状となっていて、強度と通気性のバランスが大事なポイントです。

⑤脱ワックス:シェルを炉に入れ、ワックスを溶かし出します。ここで、シェルの塊の中に作りたい製品と同じ形の「空洞」ができます。

⑥焼成:シェルを高温で焼き締め、鋳込みに耐える強度を付与。

⑦鋳込み:溶融金属をシェルに流し込みます。

⑧シェル除去:金属が固まった後、シェルを破壊して鋳物を取り出します。

⑨切断・仕上げ:幹部分を切り離し、研磨で仕上げます。

⑩検査・出荷:寸法・材質・外観を厳しく検査し出荷します。

特にステップ2の「ツリー組み」は溶融金属の流れに影響し、品質の安定性と生産性に直結します。モリチュウでは独自ノウハウで最適なツリー設計を行い、ステップ3〜4のコーティング・スタッコも熟練者が丁寧に行うことで、美しい鋳肌と高精度を両立させています。

84年の鋳造一筋の経験と最新の品質管理体制で、モリチュウはお客様の「できない」を「できる」に変えてきました。

「ロストワックスについてもっと知りたい」
「設計した形状がどの工程で実現されるのか知りたい」
そう思われた方は、是非鋳造技士による「ロストワックス鋳造ミニセミナー」をお申し込みください。より明確に「謎解き」が出来ること間違いありません。

皆様の課題解決に、モリチュウの技術をご活用ください。

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-追伸-
モリチュウでは、お客様の幅広いニーズに合わせて、適切な素材や製造方法のご提案をしています。
製造面、調達面、開発面での課題についてモヤモヤしていることがあれば、是非お問い合わせください。お待ちしています!