銅合金鋳物からステンレス鋳物へ・・・RoHS対策にもバッチリです!

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 みなさまは「RoHS指令」についてはすでにご存じかと思います。こちらは、「廃電気・電子機器のリサイクルを容易にするため、また、最終的に埋立てや焼却処分されるときに、ヒトや環境に影響を与えないように電気・電子機器について有害物質を非含有とさせることを目的として制定」されています。そして、対象は主に電気、電子機器となっていますが、医療機器や自動販売機にも適用されます。

 以前中国で水道関係のバルブを作っている会社(中国の現地企業です)が、ステンレス鋳物のバルブを作っていました。その理由を聞くと、「ヨーロッパ向けの製品なので、RoHS指令を意識して材質を変更している」とのことでした。もうかれこれ10年以上前の話です。そこまで環境に対する意識が高まっているのだとビックリした記憶があります。

 現在、厨房機器や食品機械そのものが対象になってはいないようですが、RoHS指令の目的が「最終的に埋立てや焼却処分されるときに、ヒトや環境に影響を与えない」ということを考えると、更にSDGsへの取組みが評価につながる昨今の世の中変化において、無視できない視点になっているのは確かです。更に、日本のマーケットが縮小するなか、海外向け製品を作っていくのであれば、企業の「環境に対する意識や取組み」は、お客様の獲得に向けても更に重要になってきます。

※「ステンレス鋳物のプロ」は創業80年の経験から、鋳物技術、ステンレス等素材の特性、そして厨房機器・食品機械メーカー様の業界特徴やニーズを熟知した上であらゆる対策を講じることが可能な「ものづくり設計サポーター」です。

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さて、規制対象となる物質は全部で10物質ありますが、特に鋳物関係で問題となるのが、特に鋳物関係で問題となるのが銅合金鋳物に含まれる「鉛」です。鉛中毒の現象としては、人格の変化、頭痛、感覚の消失、脱力、口の中の金属味、歩行協調障害、食欲減退、嘔吐、便秘、けいれん性の腹痛、骨や関節の痛み、高血圧、 貧血、腎臓の損傷などがあるようです。実は、銅合金鋳物が含有する鉛は材質により0.5%から6%になります。上記の水道関係のバルブを作っている会社では、まさに銅合金鋳物からステンレス鋳物へ材質変更をしていました。

 銅合金が使われている理由は「湯流れが良い=薄肉で製作出来る」、「加工性が良い」という理由ですが、その製造のしやすさ、つまりコストだけで材質選定を判断するのは環境的観点から難しくなっています。さらに最近では銅は「EVや再エネの普及に必須の金属」です。つまり国家をあげた「戦略物質」の様相を呈しており、価格が高騰、高止まりしている状況です。

(以下参考情報)

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220712/se1/00m/020/020000c

 そこで、ステンレスロストワックス鋳造の出番です。ステンレスロストワックス鋳造は、

1.RoHS指令に抵触しない

2.複雑な形状を薄肉で製作することが可能

3.加工も問題無く対応可能(最近では加工機械の発展がめざましく、様々な加工が出来るようになっています)

 ちなみに、銅合金自体の腐食問題もあります。特に洗浄機において最近では様々な洗剤が使われており、特に強い洗剤をつかう環境下において、銅合金の腐食が激しいと聞いています(こちらについてはいずれコラムで触れたいと思います)

 環境的視点や銅の価格高騰等の理由で、銅合金鋳物からステンレス鋳物へ変更したいという方、是非、モリチュウにご連絡ください。いきなり変更して大丈夫か不安な方に対しては、金型不要の3Dプリンターを使った試作サービスがあります。また独自の在庫管理による安定供給も強みです。お気軽にご一報を!

 モリチュウでは、お客様のニーズに合わせて、素材や製造方法のご提案をしています。

調達面での課題、開発面での課題について、お話を聞きながら解決策のご提案をいたします。進めてしまってから後に戻るリスクを避けるためにも、今モヤモヤしていることがあれば、是非以下URLよりお問い合わせください。何か新しいヒントが見つかるかもしれません。

これからも、こちらのコラムでは、素材や製造方法、そしてお客様のお役に立つ取り組みなどをご紹介していきます。

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代表取締役 森 雄児

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