そもそも鋳物ってなんですか?鋳物をどう活用すればメリットがあるのですか?
「そもそも鋳物ってなんですか」・・・?
このように改めて聞かれると、意外とすぐに答えられないケースがあります。
モリチュウ社内では「共通の言語」、「共通の認識」が大事であると常々言っていますが、「鋳物とは」については、お客様とも共通の認識を持つことが大切だと考えます。
つまり定義を明確にすることです。
※「ステンレス鋳物のプロ」は創業80年の経験から、鋳物技術、ステンレス等素材の特性、そして厨房機器・食品機械メーカー様の業界特徴やニーズを熟知した上であらゆる対策を講じることが可能な「ものづくり設計サポーター」です。
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モリチュウのお客様のほとんどが「ものづくり」に携わっています。
ものづくりは単純に言うと、様々な「材質」と「特定の成形方法」で作られた部品の組合せで出来ていると言えます。
そして、部品調達の際には、強度と重量のバランスから選定した「材質」を出来るだけコストのかからない「成形方法」で製作したい・・・と考えるのは自然です。
では、成形方法には、どの様なものがあるでしょうか。
大きく分けると3つになります。
1. 塊から削って成形する方法=切削
2.板や棒を曲げたり、幾つかのパーツを溶接などでくっ付けて成形する方法=板金、溶接
3.溶けた金属を型に流し込んで成形する方法=鋳造
上記のどの方法が優れているというわけではありません。
大事なことは、必要な形状を作るために、どのような成形方法が適切かを見極めることです。
なぜなら、それが製作コストに直結してくるからです。
さて、上記の通り、鋳造は3番目の型に流し込んで成形する方法となるわけですが、改めて鋳物の定義はどのようになるかというと、
「鋳物」=「金属を溶かして、型(※)に流し込んで成形されたもの」となります。
(型については誤解が多いので、改めてお話する機会をつくらせていただきます)
つまり、「金属」であること、「溶かす(溶解)」こと、「型に流し込んで成形」することという3つの要素を満たしていると「鋳物」ということになります。
「溶かして型に流し込む鋳物」最大の特長は何でしょうか。
それは「溶かすので形が自由になる」ことです。
つまり「複雑な形状を一体で作ることが出来る」ということに他なりません。これが一番の特長です。
したがって「複雑な形状」を「切削や溶接」で作っている金属部品があれば、鋳物で一体成形をした方がメリットがある可能性があります。
もちろん、メリットだけではありません。
切削や板金溶接に対し、初期費用がかかってくるといったことが主なものですが、ある一定の数があれば、メリットが出せる可能性があります。
特に年間数量というよりは「生涯使用数(つまり製品提供期間に使う数)」で考えていただくと、初期費用の考え方も変わってきます。
鋳物の起源は、紀元前3,000年ごろメソポタミアの南部に国家都市を建設したシュメール人によって始められたとされています。
このようにとてつもなく古くから起源を持つ鋳物であり、現在も使われている技術ということは、それなりにとても良い面があるということに他なりません。
形状や材質によっては鋳物が生かせる可能性はまだまだありますので、是非鋳造の特長をご理解いただき、鋳造という選択肢をもつことで、ものづくりの発想を広げていただければと思います。
こちらのコラムは「ステンレス鋳物」を中心としていますが、大前提である「鋳物」についてしっかりとお伝えしないといけないと感じたため、今回はこのような内容で書かせていただきました。
今後もステンレス鋳物に限らず「鋳物」全般についてもお話をする機会があると思いますが、あしからずご理解ください。
尚、モリチュウでは、ステンレス鋳物に限らず、鋳鉄(鉄鋳物)やアルミ鋳物にも対応をしておりますので、是非お気軽にご相談ください。
もし、今回のコラムをご覧になり、「複雑な形状を一体で作ることが出来る鋳物」にメリットがあるかもと感じた方、ご興味を持った方がいらっしゃれば、成形方法を見直す良い機会になるかもしれません。是非お気軽にお問合せ頂ければと思います。
モリチュウでは、お客様のニーズに合わせて、素材や製造方法のご提案をしています。
調達面での課題、開発面での課題について、お話を聞きながら解決策のご提案をいたします。
進めてしまってから後に戻るリスクを避けるためにも、今モヤモヤしていることがあれば、是非以下URLよりお問い合わせください。
何か新しいヒントが見つかるかもしれません。
これからも、こちらのコラムでは、素材や製造方法、そしてお客様のお役に立つ取り組みなどをご紹介していきます。
株式会社モリチュウ
代表取締役 森 雄児