「鋳物って鉄じゃないんですか?」、「そもそも鋳物ってなんですか?」
先日、お客様とお話をしていてこのようなご質問をいただきました。長年鋳物に携わる者として、鋳物の認知がまだまだ低いなぁと感じると同時に、もっと鋳物について知ってもらいたいと感じた瞬間でした。

モリチュウのお客様のほとんどが「ものづくり」に携わっています。
ものづくりは単純に言うと、様々な「材質」と「特定の成形方法」で作られた部品の組合せで出来ていると言えます。そして、部品調達の際には、強度やコストなど様々な要素を考慮する必要があります。

では、成形方法には、どの様なものがあるでしょうか。大きく分けると3つになります。

1.塊から削って形を作る(成形する)方法=切削
2.幾つかのパーツを溶接などでくっ付けて成形する方法=板金、溶接
3.型に流し込んで成形する方法=鋳造

上記のどの方法が優れているというわけではありません。大事なことは、必要な形状を作るために、どのような成形方法が適切かを見極めることです。なぜなら、それが製作コストに直結してくるからです。

 さて、上記の通り、鋳造は3の型に流し込んで成形する方法となるわけですが、改めて鋳物の定義はどのようになるかというと、

「鋳物」=「金属を溶かして、型に流し込んで成形されたもの」となります。

チョコレートを例に考えてみましょう。チョコレートを溶かして型に流し込んで作るように、金属を溶かして型に流し込むことで、様々な形状の製品を作ることができます。

そして、使うチョコレートには、「ミルクチョコレート」、「ブラックチョコレート」あるいは「ホワイトチョコレート」があるように、金属にも様々なものがあり、「鉄(鋳鉄)」以外にも沢山あります。なので溶かす金属によって、アルミ鋳物になったり、銅鋳物になったり、ステンレス鋳物になります。

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冒頭の「鋳物って鉄じゃないんですか」の質問・・・「鉄だけではないんです」が答えになります。
 
 「溶かして型に流し込む鋳物」最大の特長は何でしょうか。
それは「複雑な形状を一体で作ることが出来る」ということに他なりません
なので「ものづくり」において、「複雑な形状」、且つ「切削や溶接」で作っている部品があれば、鋳物で一体成形をした方がメリットがある可能性があります。

もちろん、メリットだけではありません。切削や板金溶接に対し、「型代」という初期費用がかかるといったデメリットもあります。しかし、形状や数量によっては鋳物が生かせる可能性は十分あります。是非鋳造の特長をご理解いただき、ものづくりの発想を広げていただければと思います。
 
もし、今回のコラムをご覧になり、「複雑な形状を一体で作ることが出来る鋳物」にメリットがあるかもと感じた方、ご興味を持った方がいらっしゃれば、成形方法を見直す良い機会になるかもしれません。ぜひモリチュウにお問合せください!

鋳物をまなぼう「ロストワックス鋳造ミニセミナー」も随時開催しております。
さらに、条件によりますが、「型代ゼロ」のご提案も始めました。
是非皆様方の課題解決に、モリチュウをご活用ください!

-追伸-
モリチュウでは、お客様の幅広いニーズに合わせて、適切な素材や製造方法のご提案をしています。
製造面、調達面、開発面での課題についてモヤモヤしていることがあれば、是非お問い合わせください。お待ちしています!

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株式会社モリチュウ
代表取締役 森雄児